不妊症の検査
基礎体温の測定方法
基礎体温は基本的かつ重要な検査ですから、次の要領で欠かさず測定するようにしましょう。
- 就寝前に婦人体温計を枕元に用意しておきます。
(起床時に体温計を探して動かなくてもよいように!動いてしまっては不正確です!)
- 朝、目が覚めたらすぐにベッド(ふとん)の中で体温計を舌の下にはさんで体温(基礎体温)を測ります。
(口にくわえたまま寝込まないように!)
- 測定値を婦人体温表に記入します。
(折れ線グラフを毎朝の習慣に!ただし、忘れても気にしすぎず、翌朝から続けて計るようしましょう)
- できるだけ起床時間(測定時間)を一定にしましょう。
(夫の変則勤務に付き合って早く起きた場合やあなた自身に夜勤があった場合など睡眠時間が少なかった時は備考欄に記入を!)
基礎体温のパターンを分類することによって、排卵や黄体機能の状態を知ることができます。
*正常排卵周期を基準にして、
- 周期は?
- 低温相と高温相の温度差は?
- 高温相の持続日数は?
- 高温相の形状は?
- 不正出血の有無は?
などが検討されます。
- 周期の異常や無月経については、生理の異常・性器出血の所を参照して下さい。
- 妊娠した場合、妊娠反応は高温相が21日以上経過しなくても陽性となります。
- 低温相と高温相の境界は36.7℃とされていますが、人さまざまであり、この境界温度については気にする必要はありません。
- いつ排卵が起こるかについては、
| A:体温最低日前日
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・・・・・・・・・・・・ |
5% |
| B:体温最低日 |
・・・・・・・・・・・・ |
22% |
| C:低温相最終日 |
・・・・・・・・・・・・ |
40% |
| D:高温相初日 |
・・・・・・・・・・・・ |
24% |
とされ、低温相最終日が一番排卵の確率が高いと考えられています(三宅、1989)。
- 基礎体温だけで、受胎のタイミングをとるのであれば、いつが低温相最終日になるかが予測できないので、基礎体温が高温相になるまで、1日おきに性交渉をもつようにするとよいでしょう。産婦人科を受診すれば、超音波断層法やホルモン測定により、もっと厳密に排卵日を割り出すことができます。
- 射精後の精子の生存期間は約3日間(個人差があります)とされるのに対し、卵子の妊孕能(妊娠できる能力)はわずかに半日で失われてしまいます。つまり、“排卵して半日が受胎できるかどうかの勝負です!”
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婦人体温計について
基礎体温は普通の体温計より目盛りの細かい婦人体温計で測定します。寝る前に枕元に婦人体温計を置いておき、目が覚めたら動き出す前に舌下にくわえて測定して下さい。最近ではデジタル体温計が数種類出回っていますが、中には精度管理に問題があるのでは?と思われるものも出回っています。基礎体温表をつけてみて、グラフがあまりにガタガタに変動する場合は、昔ながらの水銀婦人体温計に換えてみてはいかがでしょうか。
また、グラフの自動描写機能のついたデジタル体温計の場合、数周期を詳しく比較検討したりするには不向きのため、やはりご自分で測定値を記入してグラフを描く習慣をつけた方がよいでしょう。 |
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黄体化未破裂卵胞
(LUF:Luteinized Unruptered Follicle)
基礎体温が高温相になったからといって、かならずしも排卵が起こっているとは限りません。黄体化未破裂卵胞といって卵胞は成熟するものの排卵には至らない場合が時々認められます。排卵が起こらなくても黄体化に伴いプロゲステロン(黄体ホルモン)が分泌されれば、体温調節中枢が刺激されて基礎体温は高温相となります。したがって、単に基礎体温だけで排卵を推定するのは不十分であり、高温相に移行した時点で超音波検査で成熟卵胞が消失したことを確認して初めて排卵があったと判断されます。このことからも、産婦人科を定期的に受診して超音波検査を受けることが大切であることがおわかりいただけると思います。
なお、黄体化未破裂卵胞は不妊症婦人の4.9〜54.0%の頻度で起こるとされ(戸田他、1990)、必ずしも毎周期反復するとは限らないものの、不妊原因としては無視できない病態です。この原因は明らかではありませんが、子宮内膜症・骨盤内炎症性癒着・多嚢胞性卵巣症候群などと関連があるとされています。 |